X(旧ツイッター)、投稿収益分配の基準を変更へ 「インプレゾンビ」対策も強化
米国のSNS大手X(旧ツイッター)は、2024年11月8日から投稿への広告収益分配の仕組みを大幅に変更することを発表しました。これまでの「閲覧数(インプレッション)」に基づく収益分配を見直し、今後は投稿への返信や「いいね」、ブックマーク、視聴時間などの要素に基づいて収益を分配する方式に移行します。この変更により、質の高いコンテンツがより評価されることが期待されます。
有料会員の活動が収益分配の基準に
新しい収益分配制度では、有料会員から得られる会費収入の最大25%が分配の原資となり、無料会員の反応ではなく、有料会員による返信や「いいね」の数が収益判断の基準となります。この変更により、Xは有料会員の増加を図り、広告収益に依存しない収益モデルの強化を狙っています。
「インプレゾンビ」対策も強化
従来の閲覧数を基準とした収益分配は、無意味な投稿や偽情報の拡散を助長し、いわゆる「インプレゾンビ」と呼ばれる利用者によって悪用されることが問題視されていました。特に、1月に発生した能登半島地震の際には、こうした「インプレゾンビ」が有益な情報の拡散を妨げたとして批判を受けています。
新しい収益分配基準に変更することで、閲覧数稼ぎを目的とした低品質な投稿が減少し、質の高いコンテンツが優遇されると期待されています。また、問題のある投稿に対しては、罰則が科される方針も示されており、SNSの健全化が図られています。
経営改善を目指すX
イーロン・マスク氏による買収以降、Xは広告収入の減少などで経営が悪化しています。今回の収益分配制度の変更は、有料会員の増加を通じて広告に代わる収益源を確立しようとする試みでもあります。今後のXの動向には、さらなる注目が集まります。